(しあわせなメロディー)














   

著書(ベストティーチャーズ)より  



私は、いつから教師になりたいと思うようになったのかー。自分が出会ってきた先生たちが私の生き方にとてつもなく大きな影響を与えてくれたことを意識しはじめた頃からかもしれません。今までの人生で、おそらく何万人という数の人々に出会ってきていると思いますが、何人かの先生との出会いは、私の人生を変える出会いでもありました。

毎日のように鬼ごっこを一緒にしてくださった幼稚園のときの先生の笑顔は、不思議と今も覚えています。大声で叫びながら私を追いかけてくれた先生の、エネルギーの塊のようなあの表情! 先生とのコラボレーションで生まれたあの頃の躍動感が、今日にいたるまでの私の心のエネルギーとなっているような気がします。

初めて交換日記をしてくださった小学校2年生の担任の先生のこともよく覚えています。先生が私の日記に書き込んでくださるコメントをいち早く読みたくて、一番乗りで登校していた頃もありました。朝礼前の教室で、担任の先生と私の二人だけでお話をすることができた日は、特別に嬉しかったのを覚えています。現在まで曲がりなりにも文筆活動を続けてこられたのは、文章を通して自己表現することの喜びをその頃に体験したおかげでしょうか。

家にも学校にも居場所がないと思っていた中学時代。「あなたの発想はユニーク!」と言って、私が書いたスピーチをとりあげ、英語の弁論大会に学校代表で出場させてくださった先生は、弁論大会までの数週間、マン・ツー・マンで英語スピーチの特訓をしてくださいました。

あの先生たちは自分にとって何だったんだろう? 今思えば「人生を愛すること」を教えてくださったのだと思います。私が出会った先生たちは、生きることを楽しくしてくださいました。そう思うと教育は「みんなでもっと幸せに生きるため」にあるのではないかと思います。だから学校は、安全で、誰もが心ゆくまで自分を発揮できる、楽しい場所でなければならない。そんなふうに思います。

教育に興味をもった私はアメリカに住んでいた3年間、アメリカの教育現場を観て、帰国後は中国、韓国、ベトナム、シンガポールの教育制度と現場をみて新聞や雑誌に寄稿してきました。1999年からは全米最優秀教員を毎年招聘し、アテンドする仕事に携わってきました。




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